
不動産用語集
GLOSSARY
不動産用語集
契約不適合責任
契約不適合責任とは、売買契約で、商品に品質不良や品物違い、数量不足などの不備があった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。請負契約でも同様に、請け負った仕事の内容に不備があった場合に、請負人は発注者に対して契約不適合責任を負います。
●売買契約についての契約不適合責任
購入した商品や不動産に不具合があった場合、買主は契約不適合責任の内容として、売主に対し、以下の4つの請求が可能です。
履行の追完請求権:買主は、引渡された目的物の不完全な部分を補完して完全なものを引渡すように請求できます。これを履行の追完請求権といいます(民法562条)。
代金の減額請求権:売買の目的物の不完全な部分に応じて、代金の減額を請求できる権利です。ただし、契約内容に適合しない欠陥があった場合に、いきなり代金の減額請求することはできず、一定の期間をもうけて目的物の補修などを求めたにもかかわらず売主が対応しない場合に請求できる権利です(民法563条1項)。
契約解除権:民法の債務不履行責任(契約上の義務を果たさない場合の責任)と同様に、一定期間を定めて催告し、その間に履行されない場合に契約解除できます。ただし、契約内容に適合しない部分が軽微な場合は、契約解除が認められない場合があります(民法541条)。
損害賠償請求権:売主に対する損害賠償請求も認められています。
ただし、契約不適合責任における損害賠償責任は、債務不履行責任における損害賠償責任と同様に、売主に帰責性が必要です。売主に故意や過失がない欠陥については、損害賠償請求はできません。
●売買契約についての契約不適合責任の時効
買主は「不具合を知ったときから1年以内」に不具合の内容を売主に通知することが必要です(改正民法第566条)。